啓明舎(けいめいしゃ)|難関中学受験名門/「限界」って何だろう?

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「限界」って何だろう

空の写真今年のサマーセミナーの合い言葉は「限界への挑戦」。

去年までのサマーセミナーは6年生限定だったから、5年生も6年生もセミナーは初体験。

「毎朝6時起床で6時半から授業」なんて、眠くて勉強にならないでしょ

「夜10時まで14時限授業で、0時まで自習室」なんて、集中力が続くはずないよ

そもそも5年生が親元を離れて3泊4日の「勉強漬け合宿」なんて、絶対に無理・・・

参加した子どもたちも、ご両親も、そんな不安を抱いていたでしょう。いや引率した私たち自身が、実は心の底では「本当に大丈夫だろうか」と思っていました。

結論からいうと、200名以上の生徒たちは誰ひとり脱落することなく、最後まで「やり通した」のです!せっかく看護士の方に同行をお願いしたのに、せいぜい「ちょっとおなかが痛い」「鼻血が出た」という程度で、救護室は「開店休業」状態でした。
6年生は夏期講習に突入してすでに12日間、毎日7時間授業+家庭学習という日々を過ごしてきましたが、それでも1日14時間以上の勉強なんて、あまり経験したことはないでしょう。まして5年生は、講習の授業だってせいぜい1日4時間。軽くその3倍を超える勉強を毎日最後までやり通したのですから、もうそれだけで充分に「限界を突破した」と言ってあげてよいかも知れません。

でも、「限界への挑戦」って、ただ「いままで経験したことがないくらい長い時間勉強する」ということだったのでしょうか。もうそうだとしたら、すでに今年のセミナー参加者は全員「限界を超えた」ことになりますが、「超えられた」ということは、あれはまだ「限界ではなかった」わけです。「1日14時間×4日間」をクリアしたら、今度は「16時間×5日間」?たぶんそれだって、君たちだったらできるはずです(「1日24時間」を超えることは絶対に不可能ですけどね)。
つまりそんなものは「限界」でも何でもなかったのです。ただ単に「きっと無理だ」「そんなの不可能さ」と自分で勝手に決めつけていた(もしくは他の人に言われて思い込んでいた)「幻想の壁」に過ぎないのです。でも「幻想に過ぎない」とわかっていても、高い壁の前に立つと足がすくんでしまう。心が萎えてしまう。もっと安易な道を選びたくなってしまう。それは大人だって同じです。

今年のサマーセミナーに参加して、何よりも素晴らしいと思ったのは、みんなが「もう諦めよう」「自分だけ寝てしまおう」「こっそり遊んじゃおう」・・そんな「自分の心が作り出した壁」と戦い続けたこと、そして友だち同士で励ましあって、何度となくその「壁」を乗り越えたこと。授業で学んだ知識や解法は忘れても、「壁」に立ち向かい、乗り越えた経験や思い出は一生忘れない。
そしてもうひとつ。「壁」を超えられたのは、決して勉強面だけではありません。宿泊した八子ヶ峰ホテルは、塾や予備校だけでなく、学習院女子などの名門校が利用する施設なのですが、最終日にホテルの社長さんや女将さんにご挨拶をしたとき、「みなさんがはきはきと挨拶をし、配膳の手伝いをしたり、玄関のスリッパをそろえたりするのに、本当にびっくりしました。こんなに礼儀正しく、しっかりとした小学生ははじめてみました」とお褒めの言葉を頂戴しました。それを聞いて、どれだけ君たちのことを誇らしく感じたか、わかりますか?実はこの文章を書きながら、セミナーから帰った翌日です)、そのときのことを思い出して、少し涙ぐんでいるくらいなのです。
勉強はできるけど、生活面は親に甘えっぱなし。公共のルールが守れない。平気で他人に迷惑をかける、挨拶もできない。そんな「優秀な」受験生もが大勢います。成績がよければ、偏差値の高い学校に合格すれば、それですべてが許されるのか?

それはとんでもない勘違いです。

それに対して、セミナー参加者たちはただ「ルールを守る」のみならず、先生から指示される前に自分で自分を律し、仲間どうしで「静かにしよう」「規則を守ろう」と声をかけあうことができるようになりました。だからこそ私は、彼ら・彼女たちが受験勉強における、いや人生における大きな「壁」をひとつ乗り越えたのだと、手放しで称賛したいのです。
まさにサマーセミナーの4日間は、「学力を以て社会に貢献する人材」、すなわち「真のエリート」への道を大きく一歩踏み出した瞬間でした。いつかきっとこの日のことを振り返り、「あれが自分の第一歩だった」と思える日がやってくるはずです。

あまりセミナー参加者のことばかり褒めてしまうと、学校行事などで参加できなかった生徒や保護者の方々が不安に思われるかも知れません。でも心配は無用。6年生はほぼ全員が参加してくれたし、5年生にはまだ来年がある。なにより私たちはふだんの授業のなかでも、常に同じ教育理念をもって子どもに接しています。セミナーはその集大成のひとつに過ぎません。

これからまだ受験まで険しい道のりが待っています。でも君たちならきっと乗り越えられる。もし辛いことがあったら、全員が「無言の行」を守り、ひたすら念じ続けた結果、満月と雲り空という悪条件にもかかわらず出会うことのできた、あのペルセウス座流星群を思い出しましょう。自分の作り出した幻想の壁にひるむことなく、自分の可能性を信じ、諦めずに努力を続ければ、きっと夢は叶う。あの流星群は、君たちの思いが天を動かして呼び寄せたものに違いありません。私はそう信じています。