啓明舎(けいめいしゃ)|難関中学受験名門/ミッション

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ミッション

教室のようす毎週木曜日、4年と5年の理科の授業を担当しているのだが、これが滅法楽しい。週4回フルタイムで担当する6年生の授業ももちろん緊張感があって楽しいのだが、「週1回しか会えない」という障害(?)が子供たちの期待感をいっそう高めてくれるのか、「きょうは何の授業だろう?」というワクワク感が教室に満ちあふれている。

ワクワク感を高めるために「来週までの宿題」として毎回「ミッション」(指令)を出すようにしている。

「紫キャベツ液を作ってくること」という指令を出すと、全員がペットボトルに妖しげな紫色の液体を入れてもってくるだけでなく、酢や重曹水を加えたときの色の変化を携帯で撮影して見せてくれる。

「『もうこれ以上は無理!』というくらい、たくさん食塩を溶かして、その食塩水を作ってなめてみること」という指令を出したときは、また机の上にペットボトルがずらりと並び、「ぼくが作ったのもなめてみて!」「私の方が塩辛いよ」と大騒ぎだった。

食塩水の濃度については算数でも理科でも学習するのだが、飽和食塩水をなめた経験のある子は誰もいなかった。ちなみに海水の塩分濃度は3~4%、飽和食塩水は26%以上だから、その塩辛さは尋常ではない。

昨年移転した新校舎は新築で交通の便もよいのだが、残念ながら手狭で理科実験を行うスペースがない。学校説明会に参加すると、どの学校も立派な実験室や高価な実験器具が揃っていて、羨ましくてならない。

でも、ただコップに水を入れて、食塩を溶かすだけでも、子供たちは真剣に取り組み、そして新たな発見に目を輝かせてくれる。かつて子供たちの「理科離れ」が深刻な問題として論じられていた時期があったが、ごく当たり前の身の回りの事象のなかに、「こんなに面白いものがあるんだ!」ということを伝えていけば、理科嫌いの子なんて一人もいなくなるはずだ。そう信じている。