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人それぞれの「転機」

人生にはいくつかの「転機」が訪れます。
進学とか就職とか結婚といった、たいていの人がほぼ決まった年齢で経験する、ごくフツーの「転機」もあれば、自分や自分の家族が事故にあったり病気にかかったり、または会社が倒産したりといった、思いがけぬ不幸なアクシデントを経験することもある。逆に、偶然素敵な恋人と巡りあうとか、宝くじに当たるなんていう、思いもよらぬ幸運に恵まれることもあるかも知れません。
私自身のこれまでの人生を振り返ってみれば、やはり啓明舎という塾に出会ったこと、そして一昨年「さなる」の一員に加わったこと、この2つが人生最大の転機だったと思います(もちろんそれ以外にも△△したりとか★★したりとか■■だったりとか、まあ人並みにいろいろなことはありましたが・・)。1つめの転機が25才のとき、2つめが50才のときだから、予定では(?)次回は75才ということになります。体力も衰えてきたし、あとはできるだけ平穏な余生を過ごしたいのですが、他方で、はじめから「平穏無事」と決まっている人生なんて面白くないなあ、という思いもあります。

「転機」の真っ只中にいるときは、「ものすごく人生が充実していてシアワセだ」と感じたり、逆に「ああ、もうオレはダメだ。お先真っ暗だ」と落ち込んだりします。でも、あとから振り返ってみると、シアワセの絶頂こそが転落の第一歩だったり、ドン底まで落ち込んでいたときが実は新たな人生の門出であり、それが一生忘れられない思い出となったりするものです。
「禍福(かふく)は糾(あざな)える縄(なわ)の如し(ごとし)」という言葉があります。
辞書をひもとくと、「良いこと(福)と悪いこと(禍(わざわい))はより合わせた縄のように表裏一体である。だから一時の幸・不幸に深く一喜一憂しても仕方がない」と説明されています。
もうちょっとかみ砕いていうと、
「なにか良いことがあったら、その分悪いことが起こるかも知れないから気をつけろよ。もし悪いことがあったら、きっと次は良い事が起こるはずだから、くよくよするなよ」ということですね。
これから6年生はまさに大きな、そしておそらくは人生で最初の「転機」を迎えることになります。この時のために何年も頑張ってきたのだから、何がなんでも志望校に合格したいと思っているでしょうし、もちろんまわりの誰もがそれを願っています。
ただ、ここまで来たら「失敗したらどうしよう」なんてくよくよ考えず、「中学入試は無数に枝分かれした人生のなかの、ちょっと大きめの分かれ道に過ぎない」と開き直りましょう。だって実際にその通りなのですから。「災い転じて福」、たとえば試験で失敗して志望順位の低い学校に進学することになった。ところがその学校で素晴らしい友人や先生に出会うこともある。逆に「一寸先は闇」、せっかく合格した第一志望校なのに、入学してみたら学校の雰囲気に馴染めなかったというケースだってある。どの学校に入学すれば最高の学生生活が待っているのかは誰にもわかりません。まさに「禍福(かふく)は糾(あざな)える縄(なわ)の如し(ごとし)」ですね。
でも「一時の幸・不幸に深く一喜一憂しても仕方がない」というのは、「受かっても落ちても、どうせその先のことはわからないのだから、適当にやり過ごせばいい」という意味ではありません。先のことはわからない。だからこそ目の前の課題、人生最初の転機、すなわち中学受験に、真剣に命懸けで取り組むべきなのです。
命懸けで闘った結果としての「成功」は単なる「一時の幸」ではなく、かけがえのない喜びと達成感をもたらしてくれます。逆に、命懸けで戦った結果としての「失敗」は決して「不幸」ではなく、成功以上に大きな人生の財産になります。真剣に取り組んだ結果としての達成感や無念の思いは、次の人生の転機や試練に立ち向かう勇気を与えてくれる。でも、「どうせ無理だろうな」と思って受けたら運良く合格した、「そんなに必死にならなくてもいいじゃん」と逃げ腰の状態で受けたらやっぱりダメだった・・・それこそ、その後の人生にとって何の意味ももたない、単なる「一時の幸・不幸」に過ぎません。そんなツマラない受験をするために、君たちはこれまで頑張ってきたはずではありませんし、私たちやご両親も必死になって応援し続けてきたわけではありません。どんな結果が待ち受けていようとも、全身全霊を傾けて、この先の人生にとって意味のある受験をしましょう。そして、嬉し涙であれ悔し涙であれ、一生忘れられない思い出となるような、本気の涙を流しましょう。私たちも心の底からその涙を共有できるように、全力で指導し、全力で応援し続けます。

ちなみに、これは決して受験を控えた6年生だけに向けてのメッセージではありません。「まだ4年生だから」「あと1年以上もあるんだから」・・・なるほど。では、君はいつから「本気」になるつもりですか?6年生になったら、自動的にスイッチが入って「本気モード」になるのですか?1日1日の授業、1回1回のテストに真剣に取り組み、達成感や悔しい思いを一つひとつ積み重ねていった人だけが、大きな「人生の転機」に直面したときに「本気の涙」を流すことができるのです。
さあ、これからいよいよ大舞台に立ち向かう6年生に声援を送ると同時に、自分自身がその舞台に立つときのことを想像して、目の前の課題に全力で取り組んでいきましょう!