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将来の夢

今年から『読書ナビ』という塾内通信を発行して「教師からのオススメ本」を掲載し、その本を図書スペースで閲覧できるようにした。同時に「子どもたちからのオススメ本」を募り、壁に掲示してある。
自分の「投稿」を嬉しそうに見ている生徒たち。「いまの子どもたちはこんな本を読んでいるんだ」と足を止めて読む保護者の姿。そしてなにより「ミドリムシの本、買ってもらったよ~」と、自慢げに見せてくれるのが、嬉しく、そして頼もしい。
今回の私からの「オススメ本」は、(株)ユーグレナ出雲充社長の『僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。』、池井戸潤氏の『下町ロケット』、百田尚樹氏の『海賊と呼ばれた男』の3冊。何かのきっかけがなければ、小学生が手にとることのない大人向けの本に、子どもたちは驚くほど食いついてくれる。
この3冊を選んだのは、起業することの楽しさや、会社を守り、部下や家族を守っていくことの大変さや、自らの仕事に誇りをもって闘いぬくことの大切さを、少しでも感じてほしかったからでもある。
子どもたちの「将来の夢」は、低学年は圧倒的にスポーツ選手、高学年なら医者、あとは宇宙飛行士とか弁護士とかデザイナーとかだ。どれも素晴しい仕事だが、薬や医療器具を作る人間がいなければ医者は治療ができないし、エンジンのバルブシステムを作る人間がいなければロケットは飛ばせない。
成長するに連れて、もう少し具体的な職業選択をするようになるのだろうが、それが「現実の厳しさ」に直面してからの消極的な選択ではなく、子どものころからの夢の延長線上にある積極的な選択であってほしい。そのために、いろんな職業に就いて頑張っている「カッコイイ」大人の姿を伝えていきたい。
そういえば一人だけ「塾の先生」と言ってくれた男の子がいた。塾教師を主人公にした小説やドラマは寡聞にして知らないので、彼の将来の夢であり続けられるように「カッコイイ」姿を見せてやらなければと思う。