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ルールをわきまえる

 

 「土曜日は野球の練習があるので、授業に少し遅刻することがあるのですが、大丈夫でしょうか?」。説明会でよく受ける質問だ。

 「遅刻は厳禁です。途中入室する生徒がいると、授業の妨げになりますから」。きっぱり答えると、「やっぱりそうですよね……」。「ただし、やむを得ない時は息を切らせながら教室に入るように指導しています」「はぁ…?」

 「悠々と遅れて入室する生徒がいると、『遅刻してもいいんだ』と、他の子も思ってしまいます。これではルールの意味がありません。でも、それぞれ事情があることも承知しています。だからそういう時は大急ぎで走ってきたように、『ハァハァ、お、遅れてすみませんでした』と言って入室するように指導しています。もちろん、できるだけ遅刻しないように、家庭の協力もお願いします」

 「あ、なるほど!よくわかりました」

 これが私たちの塾の「ルール」である。A中学のB校長に話したら、大笑いして同意してくれた。

 「ウチの学校では、詰め襟のボタンを1つだけ外していいことにしているのよ。でも登校途中の生徒はみんな2つ外し。だけど毎朝、私が校門前に立っているのをみかけると、」そそくさとボタンを1つしめる。そのしぐさがなんともほほ笑ましくてね」

 長年公立高校で勤務した後、初めて私立男子校に赴任した女性校長は、ちょっとやんちゃな男子生徒がかわいくて仕方がない様子だ。

 「あの年ごろの男の子たちを校則で縛りつけて、『電車の中でもちゃんとボタンをはめなさい』とか強制してもムダ。むしろあの子たちの『伸びる芽』を摘んじゃうこともある。ただ、学校内での『ルール』はちゃんとわきまえさせる。それでいいんじゃないかしら」

 少し手綱を緩めて子供たちの自主性を育みながら、「ちゃんと見ているよ」というメッセージを送る。それが、ルールに対する健全な感覚を育てていくのだと思う。