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真のグローバル人材

 私たちの塾が主催する学校見学会が、1週間で3校、立て続けに開かれた。

 塾の講師は夜型だ。連日、朝からの見学会が続いて辛くないといえば嘘になる。でも、20人程度の参加者のために、校長先生以下、総出で迎えてくれる学校側の好意と、何よりも久しぶりに出会う卒塾生たちの笑顔が、疲れや眠気を吹き飛ばしてくれる。

 A中学では毎年、学校紹介のパフォーマンスを、2年生のチームが習いたての英語で披露してくれた。

 今年はそのチームのなかに教え子のB子がいた。高倍率のオーディションに勝ち残り、しかも今回の説明会のために、当初の出演スケジュールの変更を学校に直訴したという。

 B子の中学受験は、決して順風満帆ではなかった。A中学は志望順位が高い学校ではなかった。そんなB子が、学校を紹介するチームに立候補し、なおかつ、塾の後輩たちの前で出演したいと願い出てくれた。それだけで私は、少し涙目になっていた。

 舞台袖にでてきたB子と目があった。もともと引っ込み思案だったB子は、照れくさそうに顔を真っ赤にして、でもこれまでに見たことのないような笑顔をみせてくれた。

 昨今はどの学校もグローバル化を掲げ、文部科学省が認定したスーパーグローバルハイスクールには、多額の補助金が交付される。しかし、補助金をあてこんだ国際交流プログラムが、本当にグローバル人材の育成に役立つのだろうか。

 後輩たちに、自分の学校を紹介したい、元気に学校生活を過ごす姿を見せたい、だから一生懸命に練習する。――。

英会話なんて、コミュニケーションのツールにすぎない。伝えたいことがあるからこそ、人はツールの習得に励む。

 日本の文化を伝えたい、この国の未来のために貢献したい、そう真剣に思う人間こそが、真にグローバルな視点を身につけることができるのではないか。B子のパフォーマンスを見ながら、そんなことを考えていた。