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中学受験の険しい道

  「6才のボクが、大人になるまで。」という映画を見た。一人の少年が大学生になるまでの家族4人の歴史を、同じ4人の俳優が12年間演じ続けて完成させた、驚くべき作品だ。

撮影開始時は6才だったあどけない男の子が、少し陰のある内気な少年になり、やがて親元を巣立っていく。30代前半の若く美しかった母親も、それなりにオバサンになっていく。
物語は誰もが経験するような小さなエピソードの連続なのだが、それが生身の俳優の変貌を通して描き出されることによって、子供の成長それ自体が胸を揺すぶられるドラマだという事を思い知らせてくれる、素晴らしい作品になっていた。

母親役の女優は、予告編のなかでこうつぶやいている。「まるで本物の家族みたいだった。永遠に撮り続けていたかった。そして・・・・・・誰にもみせたくなかったわ」

こんな素晴らしい映画の製作に携わることのできた人たちを羨ましく思う反面、毎年100人以上の子供たちの成長ドラマを演出し、かつ演ずることができる自分の仕事を、改めて誇らしく思った。

映画では6歳から18歳までの成長が描かれていたが、私が関わる中学受験は、12年間の長い少年期の中では単なる1つのエピソードか、せいぜい中間決済みたいなものにすぎない。
でも今、まさにその1カットを演じている子供たちや家族にとっては、他の何物にも替えがたいドラマであり、もしそのプロセスを映像化できたとしたら、きっと何度見返しても涙なしにはエンディングまでたどり着けないような感動の超大作となるに違いない。

ここから先の道のりは受験生にとっても保護者にとっても長くて険しいものになるだろう。しかしすべてが終わったときには、親子で手を取り合い、励ましあって歩んだ道のりが「もっとずっと歩み続けていたかった」と思えるような、生涯忘れることのない濃密な時間を過ごさせてあげたいと思う。