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時代の移り変わり痛感

夏合宿の宿泊施設を下見してきた。30年間、様々な場所で合宿をしてきたが、都内のホテルを使う合宿は初めてである。
数年前に、避暑地でのイベント主体型から、「勉強合宿」に変更したので、都内のホテルのほうが車酔いの心配もないし、施設も充実していて好都合だ。
なによりも移動時間が必要ないため、初日の朝から4日目の夕方まで、みっちり40時間も勉強できる。

やや年季の入った宿泊施設は、周辺に次々と高級ホテルが建設されて生き残りに必死なのだろう。
担当者が3人がかりで、食事の献立やアレルギー食対応、生徒の動線や近隣の大ホールの手配まで、こと細かに対応してくれた。「商売だから」「サービス業だから」では片づけられない誠実な対応に、学ぶところがたくさんあると思った。
それにしても、2階建ての民宿のエアコンもない地下の広間に何十人も雑魚寝をさせていた30年前と比べると、
どれだけ恵まれた環境なのかと、時代の移り変わりを痛感する。

そういえば、私立中学も新校舎への建て替えが進んでいる。
オンボロで有名だった九州のA学園の寮も、見違えるようなモダンな建物に変身してしまった。
耐震工事が必要だとか親の意識が変わったとか、いろんな背景があるのだろうが、壁に傷一つつけるのもためらわれるような校舎や、寮よりも、不便で不自由だからこそ自由に青春時代を謳歌できる環境への憧憬も捨て去りがたい。

ちょっと「おなかが痛い」と訴えただけで、看護師が常駐する救護室のベッドに寝かせるよりも、整腸剤を飲ませて
「治ったら戻って来い」と放置するぐらいの方が、「グローバル」で「ボーダーレス」化した社会で生き抜いていく力が身に着くはずだ、などという考えは、時代遅れなのだろうか。
宿泊施設側の熱意や私学の自助努力に心からの敬意を感じつつも、これが子供たちの将来に本当にプラスになるのだろうかと自問自答してしまう。