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新たな師 最大の収穫

ダイビングを始めたのは3年前。初心者用ライセンスをとり、年2回の休みに観光客向けのダイビングを楽しむだけだったが、一念発起して上級ライセンスを取ることにした。「上級」といっても、日帰り二日の講習で取得できる程度。
「ブランクがあっても大丈夫」「テストもありません」といううたい文句に引かれて安直な気分で申込み、唯一授業のない木曜日に伊豆まで出かけた。

雨の降る平日なので他に客もなく、優しそうなインストラクターのマンツーマン指導が始まった。
「ではまず機材をセットしましょう」と言われても、何をどうしていいかわからない。
へらへらした顔で「3年前に研修を受けたきりなので、ほとんどド素人ですから」と答えると、柔らかい口調ながら、びしっとくぎを刺された。
「ダイビングはいつも危険と隣り合わせなのですよ。あなたの行動次第ではバディ(相棒)である私も危険にさらされます。あなたは、生徒さんが『復習してこなかったから、わかりませ~ん』と言ったら、どうしますか?」
返す言葉がなかった。心底、恥ずかしかった。講習費用を払って、忙しい中を東京から来たのだから、お客様扱いしてもらえるはずだと甘えきっていた。客であることは確かだが、指導を受ける以上は私は生徒なのに・・・・・・。
「申し訳ありません。心得違いをしていました。よろしくご指導ください」と頭を下げ、それからは下手くそなりに一生懸命プログラムをこなした。帰宅後もテキストを読み、課題のリポートを書いた。2回目の伊豆行きでライセンスを取得したときの「おめでとう!よく頑張りましたね」という言葉に涙が出そうになった。

上級ライセンスをとれば、もっと深く潜ることが出来る。でもライセンスよりも、新たな師に出会い教えを請うことで自分の世界が少し広がった。優しくて温かく、しかも「芯」の通った本物の教師に自分もなろう。
そう思ったことが最大の収穫だった。