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面談で胸中こぼす

新6年生を対象に学習時間調査を始めた。1週間分の学習時間を記入させて毎週回収し、演習時間中に問題のある生徒を1人ずつ別室に呼び出して、「教育的指導」を行う。

明らかに勉強不足の子に「もう少し頑張らないと、上のクラスには上がれないよ?」と言っても「はい、頑張ります」と答えるだけだ。しかし「ひょっとして『こんな成績じゃ、どうせ××中なんか無理だ』って、自分で思い込んでいるんじゃない?」とツボを押すと、突然大粒の涙をこぼし始める。「お母さんに、そう言われたの?」ともう1押しすると、コクンとうなずく。
呼び出しを受けた子が次々に目を真っ赤にして教室に戻ってくるので、「いったいどんな怖い目にあうのだろう?」と別室の椅子に座るやいなや半泣きになる子もいる。

明らかに虚偽記載の子もいれば、「勉強10分・テレビ10分・勉強15分・妹と遊ぶ15分」と細かく書いてくる子もいる。「もう少し集中してやったほうがいいんだけどなあ。何かおうちの事情とかあるの?」と尋ねると、「家がお店をやっていて、8歳したの妹の相手をしなくちゃならなくて……」と大泣きを始める。「テレビは関係ないんじゃない?」と内心で思いながら、「そうかあ。頑張って『お姉ちゃん』してるんだね」と言うと、もう涙が止まらない。

「本当は上のクラスに上がりたい」「志望校に合格したい」「もっと頑張らなきゃと思っていても、友達の誘いを断れない」「どうせ無理と言われてしまう」。それぞれに家の事情もある――。そんな、誰にも言えなかった秘密を聞いてあげると、ほとんどの子供が目に涙を浮かべる。

いたいけな小学生をいじめる閻魔(えんま)大王のようだが、本音を語らせ、感情を表に出させるのはカウンセリングの基本だ。その証拠に、大泣きした次の日にはみんなとてもいい顔で塾にやってくる。それがうれしくて、「よ~し、今日も泣かせてやろう」とファイトが沸いてくる。