啓明舎(けいめいしゃ)|難関中学受験名門/16時間勉強でも明るく

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 16時間勉強でも明るく

毎年恒例の夏期合宿。かつては長野県の高原などへ出かけたが、今は東京都内のホテルで実施するので、現地集合・現地解散。車酔いの生徒の看病も渋滞の心配もない。子供たちからすれば、バスの中のレクリエーションも友達とのおしゃべりタイムもない勉強漬けの日程となる。
初参加の5年生チームからは数人が「頭が痛い」「お腹が痛い」と看護師の部屋へ駆け込んだが、何のことはない、原因はホームシックだった。一方、息抜きのイベントもなく、朝6時から夜10時までひたすら机に向かう6年生の教室は、普段以上に真剣な表情と休み時間の笑声に満ちている。
今年は成績中位クラスが担当のため、何度解説しても同じ間違いを繰り返す子供たちについ声を荒らげることも少なくない。何より当人たちがふがいない、情けないという気持ちを持っているはずだ。
 でも、とにかく教室の雰囲気が明るい。思わず「みんな、何でそんなに楽しそうなの?朝から晩までこんなに勉強ばかりさせられて、それでシアワセ?」と尋ねると、全員が大きく首を縦に振る。「ひょっとして、家にいるとお父さんやお母さんに説教されるから?ここにいた方がストレスが少ないのかな?」と聞くと、これまた大半がうれしそうにうなずく。
まあ、そうだろうなぁ。自分がこの子たちの親だったら、毎晩説教するだろうなぁ。説教する方もされる方もストレス満載だろうなぁと納得した。合宿が終われば同じ日常が待っている。「合宿が1日延長になりました」と冗談を飛ばすと、真顔で喝采する子供たちがいとおしい。
つくづく、受験は親離れ・子離れの儀式なのだと思う。受験が終われば、彼らは我々の元を巣立ち、少しだけ親からの距離を得て、新たな環境に身を置くことになる。そのときにこんなすがすがしい笑顔を見せてくれるなら、あと半年、心を鬼にして彼らを追い詰めるのが、我々にできるすべてなのだと腹をくくった。