ホーム > 塾長・後藤卓也のつぶやき > 時間配分や解く順番学ぶ

ここから本文です。

時間配分や解く順番学ぶ

6年生の夏期講習からは全科目・全分野の総復習が始まり、理解度を確認するための確認テストや再テストを実施する回数も増えてくる。
こうしたテストは単に理解度をチェックするだけでなく、時間配分や問題の取捨選択、問題用紙と解答用紙の使い方を指導する貴重な機会でもある。
しかし25人前後の子供がいると、机間巡視ではなかなか細かな指導はできない。そこで教卓の横にテーブルとイスを3つ置くことにした。人呼んで「魔王席」。テストごとに2人ずつ指名して、魔王様(私)の両側に座らせ、「監視+指導」をするのだ。
毎回15分ほどの時間だが、じっと見ていると鉛筆運びの癖など、いろいろなことが見えてくる。例えば左利きの子は自分の手が計算式を隠す形になり、長い計算問題を解くときにミスをしやすい。問題式の下に計算用紙を置いて計算するように指導した。
「その問題は後回し」「問題の指示を読み飛ばしてるぞ」「それは分数に直して計算する」などと、いきなり魔王様のお小言が飛んでくるので、指名された瞬間から緊張して半泣きになる子もいる。むやみにビビらせても逆効果なので、優しい言葉をかけると、目に涙を浮かべてすてきな笑顔を返してくれる。
「魔王様のヒントでバッと解き方がわかることがあるからスゴくいい席なんだよ!」と母親に自慢した子もいた。母親は「『それって成績が悪いから指名されるんでしょ?喜んでちゃダメじゃない』と言ったんですが、娘は魔王席に呼ばれるのがとってもうれしいみたいで」とあきれていたが、半泣きになった子も、指名を大喜びした子も、講習明けのテストでは好成績をとった。
集団授業はどうしても一対多数の一方向的講義になってしまうことが多い。せいぜい週に1回程度しか順番は回ってこないが、魔王様の横でテストを受ける僅かな時間が、緊張感や授業のメリハリを生み出しているのかもしれない。