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背伸びせず変わらぬ笑顔

秋の学校訪問会の第一弾は、1学年4クラスの小規模な女子校だった。全教室の扉を解放していただき、授業中の生徒の様子をじっくり見学できた。
中にはかつての教え子の姿もある。中学1年生のA子は照れくさそうに教科書に目を向けたまま顔を上げなかった。中学3年生のB子は真面目にノートをとりながら、ちらっとこちらを見て笑顔を返してくれた。
高等科の校舎に移動すると、校長先生が「2年生と3年生がお待ちかねですよ」という。高2のC子とD子は、そろって小さく手を振った。高3のE子に至っては、窓際の一番遠い席から半立ちになり「先生、ここだよ~!」とばかりに大きく手をふり、まわりの爆笑を買っていた。
「おいおい、高3にもなって授業中にそれはダメだろ」と思ったが、年に一度の再会だし、校長先生も横でニコニコしていたから良しとするか。授業を邪魔したことをわびて立ち去ろうとしても、E子は手を振り続けていた。
毎年この学校を訪れて驚くのは、教え子の笑顔が小学生時代と全く変わらないことだ。生徒数が多く、自由な校風の男女共学校に進学した子は、2年も経てば見違えるほど大人びてくる。一方、小規模で面倒みがいい別学校の生徒は、いつまでもあどけなさを残している。たぶん、異性の目がなく生徒全員が顔なじみだから、無理して背伸びする必要がないからだろう。
早くカッコいい一人前の男になりたい、ステキな女性になりたいという思いが成長を加速させる。それも一つの教育のあり方だ。でも私は、自分が超遅咲きだったせいか、「ありのままの自分でいいんだよ。急いで大人になる必要はないんだよ」と、一人ひとりの自己肯定感情を大切に育んでくれる教育方針に親近感を感じる。
彼女たちが社会に出て世間の荒波にもまれる日は決して違い先のことではない。それまでは「ありのままの自分」でいられる時間を大切に過ごしてほしい。