啓明舎(けいめいしゃ)|難関中学受験名門/保護者の祈り 変わらず

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保護者の祈り 変わらず

初めて教え子を中学受験という「戦場」に送り出したのは、今から30年前になる。

首都圏では当時、1月中に入試を行う私立中学はごく数校だけ。「午後入試」もなかったから、2月1日から6日まででチャンスは多くても6回。
しかも当時の私学は半数以上が女子校で、男子校は狭き門。受験者数が募集定員の1.3倍以上にも達し、4人に1人は「全滅」する時代だった。

このため、2月5日以降の合格発表は壮絶の一言だった。数百人が受験して合格者が30人という学校も珍しくなく、合格発表の掲示を見て「えっ?たったこれだけ?」とがくぜんとする保護者たち。「やっと決まった・・・・」とつぶやいて膝から崩れ落ちる保護者の傍らを、その他大勢が肩を落として無言で立ち去る。近くの喫茶店で、最後の望みを断たれた母親たちの愚痴を数時間にわったて聞かされたこともある。

今は交通網の発達による通学圏の拡大、受験回数の増加、「公立一貫校だけ受験して、ダメなら高校受験」という層の拡大、そして何よりも児童数の減少と中高一貫校の増加により、えり好みさえしなければ「全滅」はなくなった。加えてインターネット発表が定着し、昔のような修羅場に臨場することはほとんどない。

でも、決して「数打ちゃ当たる」「全滅さえしなけりゃそれでOK」というわけではない。合格掲示という生の修羅場の代わりに、翌日の受験に備えて我が子を寝かしつけたあと、深夜、合格発表ページが開くまで何十回となくパソコンやスマホを更新し続ける保護者の姿がある。

我々もまた深夜まで、自宅や翌朝の激励先近くの宿で同じ作業を繰り返す。今まさに同じ作業をしている保護者の思いと、翌朝、その報告を聞く教え子の笑顔を思い浮かべながら、全ての教え子に朗報が届くようにと祈りを込めて、スマホの更新ボタンを押し続ける。「来い!来い!」。その思いは、今も昔も変わらない。だから最後まであきらめるな!